歯周病とは
歯周病は、20代で約70%、30~50代で約80%、60代では約90%の方が歯周病に罹患しているとされ、生活習慣病のひとつと言われています。(平成23年 厚生労働省の調査報告による)では、歯周病とはどんな病気でしょうか?
歯周病とは、お口の中の細菌が引き起こす感染症であり、歯周組織(歯ぐき、歯を支えている骨や靭帯)が破壊される病気です。歯周病は、炎症が歯肉に病変が限局している歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨の周囲にまで病変が及んでいる歯周炎とに大別されます。
歯周病は、一般的に歯槽膿漏という病名として知られ、プラーク(歯垢)中の細菌が歯周組織に炎症を引き起こし、最初は歯ぐきの出血や腫れから始まり、徐々に歯と歯ぐきとの間に歯周ポケットが形成され、歯を支えている骨や周囲の組織が破壊され、歯がグラつくようになり、最後は抜け落ちてしまう病気です。
歯周病の症状
1つでも、当てはまる項目があれば、歯周病に罹患している可能性があります。
歯周病治療の流れ
1 |
検査
(1回目)
歯周ポケット測定・プラークチェック、出血の有無・動揺の有無を検査します。 |
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2 |
ブラッシング指導
歯ブラシ・歯間ブラシ、デンタルフロス等の指導をします。 |
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3 |
スケーリング
(歯肉縁上歯石除去)
超音波の機械を使って、見えている歯石を取ります。 |
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4 |
検査
(2回目)
スケーリング後に、再度歯周ポケットの測定をします。結果により、今後の治療方針を決めます。 |
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5 |
ルートプレーニング
(歯肉縁下歯石除去)
通常4回に分けて、歯肉縁下の歯石を取り、根面を滑沢にします。 |
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6 |
検査
(3回目)
ルートプレーニング後に、再度歯周ポケットを測定します。結果が良好であれば、メインテナンスへ。良好でなければ、歯周外科治療へ。 |
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7 |
歯周病外科治療
局所麻酔をかけて歯肉を切開し、歯周ポケット内に残存した炎症性組織(不良肉芽組織)や残っている歯石を徹底的に取り除きます。必要があれば歯槽骨を整形し、歯肉を縫い合わせます。 |
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8 |
メインテナンス
「新たな病気を起こさない」ことや、「一度良くなった病気が再び悪くなることを防ぐ」といった「予防」のプログラムのことです。 |
メインテナンスの重要性
メインテナンスは、歯周治療によって得られた健康な状態を維持させ、再発を予防することを目的としています。歯周ポケット内の細菌叢は12~16週で元の状態に戻る傾向があります。したがって、3~4ヶ月に1度は、専門的なクリーニングを行って、歯周病菌をコントロールする必要があります。
症状が改善されると完治したかのように思われがちですが、生活習慣病である以上、継続的な生活習慣の改善、定期健診、クリーニングを行わなければ再発してしまいます。歯周治療は、歯科医師、歯科衛生士、患者様が協力していく事で初めて成功すると言えます。