小児歯科
小児歯科は一般的に12歳位までのお子様の治療が対象となります。
乳歯から永久歯に生え変わるまで、そして、かみ合わせが安定するまで、大人の歯とは違った治療のアプローチや考え方があります。
お子様の歯は、特に予防(フッ素塗布やシーラント)とメンテナンス(ブラッシングや生活指導・管理)が重要です。
小児歯科・むし歯予防についてのQ&A
フッ素の効果とは?
- 歯の表面のエナメル質を安定した結晶構造に変えることで歯質を強化します。
- 初期のむし歯にフッ素は取りこまれやすく、むし歯で溶けかかった部分(脱灰層)を元に戻す働き(再石灰化)があります。
フッ素の具体的な利用法
- フッ素を3~4ヵ月おきに、歯科医院で塗布する。
- 家庭では、さまざまなフッ素含有ペースト(歯磨き粉)が発売されているので成分を確認して使用するとよいでしょう。
キシリトールとは?
天然素材甘味料の一種で、白樺や樫などから採れる成分を原料にして、ガムや錠剤などに加工・製品化されています。主に予防歯科先進国のフィンランドで生産されています。また、多くの果物や野菜にも含まれていて、砂糖と同程度の甘味があり、味は、スッとした爽やかな甘味です。カロリーは砂糖の約75%程度です。
キシリトールのむし歯予防効果- キシリトールの甘さによりだ液の流出をうながし、「歯質の再石灰化」を促進します。
※歯質の再石灰化とは、むし歯になりかかった歯質(脱灰層)を元に戻す働きをいいます。 - むし歯の原因菌を減少させ、歯を溶かす酸の生成を抑制する効果があります。
- 歯面に付着しているベタベタと粘着性の高い歯垢(プラーク)をサラサラの状態に変化させるため、歯磨きによって歯垢を簡単に取り除くことができます。
最近ではガムや錠剤などさまざまなタイプのキシリトール製品があります。お子様だけでなく、ご家族みんなで上手に摂取して楽しくむし歯予防をしましょう。
因みに、母親がキシリトールを摂取していると、2才の子どもへのむし歯の原因菌(ミュータンス菌)の感染率は5分の1に減少するという報告があります。キシリトール製品は、世界各国の歯科医師が推薦しています。
奥歯は溝が多く、歯ブラシも届きにくいので歯垢がたまってむし歯になりやすいのですが、その溝をむし歯になる前に専用のプラスチック(シーラント剤)で埋める(シールする)のが「シーラント」です。
溝の底の部分だけを埋めるので、かみ合わせには全く影響はありません。
またシーラント剤はフッ素を含んでいますので、徐々にフッ素が歯に取りこまれ歯自体を強くする働きもあります。乳歯にも、永久歯にもできますが、特に、萌出したばかりの幼若永久歯(特に6歳臼歯)に効果的です。シーラントは、歯を削ってつめているわけではないので、食事をしたり、噛んだりしているうちに取れたり、すり減ったりしてなくなってしまうことがあります。シーラント充填をした後も、定期的に検診して取れたところがあればそこだけ補充すればいいでしょう。
シーラント処置は健康保険が適応されます。お気軽にお問い合わせください。